過去の事例では、震度3程度でも高層ビルで被害が生じるなど、「高い建物や大型建造物では、発表された震度に対して被害が大きかった、それよりも揺れが大きく感じられた」ということが起こっていました。
これは、建物や階数によって揺れやすさは異なり、普段私たちがよく見る「震度」は、地表や低層建物を対象にしたものであるためです。高層や大型の建築物が増えた現代においては、従来の指標である「震度」では、適切に揺れの大きさを表せない状況が出てきてしまいました。
そこで、従来の「震度階級」とは別に、高層ビル高層階などでの揺れの大きさを表した指標が「長周期地震動階級」です。長周期地震動階級は、階級1〜4の4段階で表されます。
階級1では、室内にいるほとんどの人が揺れに気づき、階級2では、物につかまりたいくらいの大きな揺れを感じます。階級3では、立っていることが難しくなり、固定していない家具が移動したり、不安定なものは倒れたりします。階級4になると、揺れに翻弄されはわなければならないほどで、固定していない家具のほとんどが移動し、倒れることもあります。
長周期地震動階級は、いわば高層ビル用の震度です。とくに高層ビルで働く方や買い物などで利用することがある方、高層マンションに住んでいる方は、しっかりと覚えておきましょう。
なお、長周期地震動(※階級1以上)を観測した場合には、気象庁のHPなどで各地の長周期地震動階級を確認することができます。(地震発生から約10分後)
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気象庁/長周期地震動に関する観測情報(外部リンク)