個人的に感じたことですが、私がフランスに住み始めて以来、「月が大きい!」と思うことが何度かありました。
地球から月までの平均距離は約38万4400キロメートルです。しかし、月は地球の周りを完全な円ではなく、楕円軌道で公転しているため、地球と月の距離は一定ではありません。
つまり、月が地球に近い時と遠い時があり、この距離の変化により、地球から見た月の大きさや明るさにも若干の違いが生じます。
地球と月が1年のうちで最も近づいた時の満月は、通常よりも月が大きく、明るく見えるということで「
スーパームーン」と呼ばれたりもしますね。
しかし、月がいつもより大きく見えるケースは、これだけではありません。実際に「なんだか月がいつもより大きい気がする」と感じた経験はありませんか?
そのときの月は、地平線(水平線)近くにあることが多いかもしれません。
月が地平線近くにあるときに大きく見える現象は、「月の錯視」と呼ばれる視覚的な錯覚です。
この現象は、地平線近くにある月は、空高く昇っているときよりも大きく見える、というものです。
スーパームーンとは全くの無関係で、月との距離や月の大きさが実際に変わっているためではありません。月の写真を撮ってみると、地平線近くにあるときも、空高い位置にあるときも、同じ大きさに写ることが確認されています。